内田智子が開拓した紅茶のニューフロンティア

内田智子の感性と技術が沖縄の大地と出会い誕生した琉球紅茶は、世界三大紅茶に並ぶ第四の紅茶と言われるほどに特徴的。沖縄を新しい紅茶産地へと導いたテロワール(土壌、気候、地形、農業技術などの生育環境より与えられる特徴)を持ち、沖縄の太陽と大地を思わせる力強く豊かな香りでありながら、後味のすっきりとした端正な紅茶です。

気候

沖縄は、世界的な紅茶産地が形成する北緯30度以南の「ティーベルトゾーン」に含まれ、インド・アッサム地方とほぼ同緯度の北緯26度に位置しています。沖縄に降り注ぐ太陽の光は、日本の中でも特に紫外線が強く、紅茶に不可欠なタンニンを生成するのに最適です。

土と水

沖縄の肥沃とはいえない赤土は、紅茶の産地であるスリランカと同じ「神様にしか作れない、紅茶の土」。窒素などの養分が少なくミネラルが豊富なこの土に、さらにミネラルを豊富に含んだ湧き水を与えることで、上質でタンニンを豊富に含む茶葉が育ちます。養分が少ないからこそ、紅茶の木はゆっくりと成長し、時間を掛けてたっぷりと紫外線を吸収できるのです。

海と風

太平洋側からの海風を受けることができる深い湾に隣接した場所。その特別な地に作られた茶畑には、ミネラルを含んだ海からの風が吹き込みます。茶葉を揺らすその風が、ふんわりとしていた風味をきりりとまとめ上げ、メリハリのある沖縄特有の味わいを持つ紅茶に仕上げます。

風味豊かで味わい深い「べにほまれ」を中心に、「べにひかり」「べにふうき」の3種の茶葉を栽培しています。100年前にインドから日本に持ち帰られた紅茶品種「べにほまれ」は、世界でも希少な品種。農業研究所に少しだけ保管されていた貴重な原木から挿し木をし、じっくりと時間をかけて沖縄の地に定着させました。

有機栽培

害虫や雑草に囲まれた過酷な自然環境におかれた紅茶の木は、環境へ適応する過程で抗酸化作用が高まり、豊かなアロマをもつ原料茶葉に成長します。厳選した土壌での有機栽培は、茶葉の個性を最大限に引き出し、その土地固有の表情を豊富に蓄えた紅茶を生み出す秘訣です。

茶摘み

収穫時期には茶畑に幾度も足を運び、茶葉の手ざわり、食感や風味をテストし、収穫の日を決定します。日中の紫外線をたっぷりと浴びた茶葉がタンニンを豊富に蓄えたその日の夕暮れ、夕日に照らされひときわグリーンに光る新芽を、ひとつひとつ丁寧に摘んでいきます。

茶揉み

温度と湿度を管理し、ポリフェノールの合成を茶葉の触感で確認しながら、茶葉が持つアロマのカプセルを開いていきます。揉み手の常在菌と茶葉の相性も考慮しながら、丁寧に茶揉みをおこない、豊かなアロマを感じる個性際立つ琉球紅茶に仕上げます。

乾燥

茶葉を揉むことで呼び覚ましたアロマを閉じ込める大切な工程。お湯を注いだ時に、しっかりと香りがよみがえるよう、理想的なタイミングを茶葉の状態や香りを確認しながら進めます。

仕上げ

沖縄ティーファクトリーの琉球紅茶を完成させる、最後の工程。ティーブレンダー・内田智子が、テイスティングし、茶葉本来の個性がしっかりと表現された紅茶のみを製品に仕上げ、皆様にお届けしています。

OKINAWA TEA FACTORY

(c) OKINAWA TEA FACTORY

PHOTOGRAPHY : SHIORI KAWAMOTO / ILLUSTRATION : SHIGEO HIRATSUKA